The moment

写真で食っていくためのノウハウ、風景写真のテクニックなど紹介します。

フリーカメラマンになって10年目【日記】

今朝、すこし草むしりをして暑さで弱った金木犀に水をあげて、いつもの日常ではじまりましたが、会社辞めてフリーになって10年という節目でもありました。10年前のこと、フリーになって東京に戻ったものの実家で甘えることは許されず一人暮らしをはじめました。毎日ヒマで焦っているぼくと対象的に足早に歩きゆくサラリーマンを遠くで眺めては、やることがある人に羨みさえ抱く日々です。そんな今となって懐かしい当時の写真を見返しています。

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初写真展 フジフイルムフォトサロン(2010年)より


2014年 東京都知事選挙 家入かずま候補カメラマン

節約生活はサラリーマン時代からやっていたのでフリーになって死なない程度に稼げればOKくらいに考えていて、その代りに自由な時間をつくっては極力行きたいところへ行ってやりたいことをやってこれました。予定外にスケジュール空いてしまった時は変わりの何かが舞い込んできて、ぽっかり空いた10日間で2014年の東京都知事選挙のカメラマンで経験したこと、それは30歳以降に出会ったの新しい価値観でした。

選挙や政治はどこか遠くのなにかではなく誰でも(ノリでも)できるし、なにごとも淀みは代謝させていかなくてはいけない。政治は日常生活の同一線上にあって、それらを理解している人ほどいざとなった時に頼りになる。

実際、家入キャンプ(選挙事務所の通称)に出入りした人たちは、後に社会的に活躍している人ばかりです。そんな成長していく様子を知ることも自分の伸びしろを見つけるきっかけに感じるとともに、社会参加しないこと(人)への虚しさのようなものがあり、これは写真作品に通ずることだと気付かされました。

家入さんがやったこと、残したこと(2014年当時に書いたこと)

photo-muto.com

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家入かずま候補・イケダハヤト氏の対談

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凍傷治療をしていた頃。街頭応援に駆けつけた栗城史多氏


一般社団法人 ニューボーンフォト協会 クラウドファンディング

先日開始した一般社団法人 ニューボーンフォト協会のクラウドファンディングは幅広い意見が集まっています。

「ニューボーンフォト」の画像検索を見てもらうと医療・出産・保育関係者はどなたも絶句するくらい。そして一刻も早く活動して欲しいという要望がある一方、写真業界は冷ややかな人が多いかな。WEB(テキスト)で説明する難しさを感じるとともに、ご心配とお騒がせてしまったことは申し訳なく思っています。

具体的に気になることは複数ありますが、赤ちゃんが静かにしているパターンのひとつに(YouTubeをみると分かりますが)許容できずに放心状態になっている場合があり、カメラマンは静かにしているから平気だろうと撮影をすすめてしまうこと。(生まれる病院で発達障害が何倍も異なる事実があるなど)その場は良くても撮影時の曖昧な知識が後に及ぼしてしまう可能性など挙げられ、撮影ポージングだけ抑えておけばOKという訳にはいかないことではないかと考えています。(過去の新生児事例をみて誰かやらずして厚生労働省など動きはありません。)

正しい知識を広めたいという第一の目的に沿って、協会の活動は専門家監修の講座を無料配信することからはじめようと考えています。カメラマンだけでなく、ママやご家族、多くの方々に関心を持ってもらいたい。

危険性ばかり煽ると業界が萎縮するというメールがきます。でもこのまま放置した結果、事故・ニュースが起きるほうがよっぽどなのではないでしょうか・・

とはいえ、新生児の常識は時代とともに変わっていきます。発達は人種によって異なります。そもそも医療の立場によって見解が異なります。なにが絶対ということはありません。それらを踏まえ関係者といがみ合うことなく動かせたらと思っています。

忘れられない誕生日に

誕生日は毎年ありがたいことに忙しく過ぎていくだけのものでした。今年はフリーになって10年目。そして今日から40歳です。今まで作品を買ってくれた方のことを忘れることがなかったよう、クラウドファンディングで応援してくれた方も忘れられないでしょう。ご祝儀としてでも賛同していただけたら嬉しいです。

camp-fire.jp



これからのフリーランス・信用経済・評価経済

10年目の今、振り返るとぼくはただ運が良かったようです。程々に仕事が入り、程々に自由な時間が作れてきたけど、去年まで順調だったことが今年はそうは行かないという事が多くなってきました。(それだけ業界が変化している) 求められること自体が毎年変化しアップデート(時代対応)していかなければ続かないし、写真・カメラだけでは活動の幅に限界があると肌で感じています。

フリーを稼業にするってみんなどうなんだろう。大変な人もいれば楽と感じる人もいるだろうし、そもそも比較対象はサラリーマンのときに対してになるのだろうか。それとも気持ちの持ちようなのなのだろうか。

稼いでいるカメラマンも潤っていないカメラマンも、みんな甲斐のようなものを背負って前進しています。そういう姿をみては物質主義の時代が終わりはじめているのが分かるし、信用経済・評価経済が形作られているのが分かります。フリーでやっている人ほど、パラダイムシフトをリアルに感じる得る立ち位置ならラッキーです。



最後に、2010年の写真展を振り返って。


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小さな命の通り道
空を漂う雲のよう
人には見せぬ風のよう