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The moment

写真で食っていくためのノウハウ、風景写真のテクニックなど紹介します。

【御苗場vol.16 横浜】 勝手にレビュワー賞 ノミネート(1日目) S11 田村 翔平

御苗場とは若手登竜門に位置づけられる写真コンペで、割当てられたブースで写真展示をして評価や交流をする機会です。用意された賞は大きく分けて3つあり、御苗場に参加する一番の目的はレビュワー賞を受賞し大型展示の機会を得たり、写真集出版など活動の場を広げることです。

  • レビュワー賞:著名写真家やアートディレクター、プロデューサーが選ぶもの
  • スポンサー賞:協賛メーカーによる大型写真機材がもらえる機会
  • オーディエンス賞:来場者の投票によるもの

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御苗場 勝手にレビュワー賞

写真コンペで審査状況が公開されるものがありますが、最終審査のみでごく一部です。御苗場の特徴であり面白いのは審査するレビュワーが同じ会場内にいてコミュニケーションをとれることにあります。応募作品が公開されていることを活かし、ぼくも勝手にレビュワー賞を決めようと思っています。


【御苗場vol.16 横浜】 勝手にレビュワー賞 ノミネート(1日目) S11 田村 翔平

御苗場vol.16 横浜の初日、午後から会場に入りました。毎年混雑しているイメージがありますが、平日というせいかスムーズに各ブースの作品を見ることが出来ました。でも数が多いので入口付近の作品しか見れていません。(全体の1/3くらい)勝手にレビュワー賞の初日ノミネートはS11 田村 翔平(学生ブース)です。


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写真撮影・掲載許可もらっています


ノミネート理由1:社会性を持っている

田村 翔平氏の作品はコンセプトを持った被写体を撮影したプリントに、生卵をかけて再度カメラに収めるという手法です。同性カップルがテーマになっているのですが、ちょうど朝にニュースで渋谷区が同性のカップルに「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する新たな条例案をまとめ、区議会に提出することになったのを見ました。作品が社会性を持つということは作っている本人だけでなく、見ている側にも共有できる部分が生まれます。

一方、「私にとって気になる存在です(だから撮っています)」という作品を会場で多く見かけます。自己表現ではあるものの他者には響いてこない。ぼくの感覚で言うと「あ、そうなんですか、あなたはそう感じているのですね。」と唸ることなく完結してしまいます。作者と見る側が互いに何かを共有するものがあり、見る側の想像が広がっていくことが写真表現が持つ魅力の1つだと考えています。


ノミネート理由2:シンプルな展示がいい

学生ブースは1.0m幅の縦長なので横並びできても2点くらいとレイアウトが制限されてしまいます。そこで、S11 田村 翔平氏は展示作品は1点のみです。しかも1点にヒントとなるものがなく「これは何???」と思いましたが、置かれているブックを見ると制作手法が分かるのが面白いです。文字による解説がなくても時系列で分かるというのもいい。見る側が疑問に思いブックに手を伸ばすアクションを起こさせる内容になっています。


ノミネート理由3:表現の挑戦をしている

写真は丁寧に扱うものとという流れがあるなか、コンセプトをもってアナログの(丁寧でない)加工手法を取り入れていることが面白い。しかもペイントやスパッタリングのような上品な加工でなく、日常的に食べているものを写真に組み合わせることは未知の領域でもあり探求者のように思えて応援したいところです。継続的に他のものも見たいと思わせるのはいい作品の証拠ではないかと考えます。

表現の挑戦は加工手段だけではありませんが、オフィシャルレビュワーも同じような作品を求めているようです。


寺内 俊博(西武百貨店 美術コーディネーター)

ただ頷く作品ではなく、棘のように心に引っかかる作品、足場を外されたような気分にさせてくれる作品との出会いを期待してます。作品からのメッセージという言葉で言うなら、圧倒的な強さを持ったメッセージか、見る者を繋ぎ考えさせるようなメッセージを受けたいですね。


小松 整司(エモン・フォトギャラリー ディレクター)

メッセージというよりも、驚きや意外性を期待しています。写真は表現のツール既成概念を疑い、謀反を企てるくらい挑戦的なメッセージを投げかけて欲しいです。



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1年ほど 海を歩くために を書いてきましたが、今後はてなブログ The moment も平行して記事をUPしていきます。よろしくお願いいたします。