一時期は稼げるといったニュースで話題になっていたNFTですが、今ではそれらが入れ替わって有名企業がNFTに参入する報道を見かけるようになりました。今回そんなNFTに関わる本の共著として関わらせて頂きました。これからNFTをはじめる方・クリエイターに向けた内容です。表表紙・裏表紙のデザインは活躍中のNFTクリエイター25名に協力してもらいました!
クリエイターのためのNFT参入マニュアル(出版社: 三才ブックス)
NFTのフェーズはそれぞれに特徴がありました。今、特徴的で面白いと思っていることは、個人レベルで「NFTは怪しい」と言われている一方、企業や団体レベルの参入が増えていることです。どの時代でも新しいものは避けられてきたことに重なります。
写真関連で言えば、カメラメーカーや写真関連の企業がNFTの準備をしている事を噂されていることと、具体的にはCanon(キヤノン)U.S.A. がNFT関連の商標出願を実施しています。商標出願の内容から推測をするとキヤノンはマーケットプレイスまで視野に入れているようです。
参考)NFTへ参入している企業
- コナミ
- スクウェア・エニックス
- mixi
- メルカリ
- 吉本興業
- LINE
- NTTドコモ
企業がNFTに参入する動きを見せる一方、一般的にまだまだ認知されていないNFTですが、皆さんはどのように捉えているのでしょうか?
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クリエイター像について
「NFTとはNon-Fungible Tokenである」といった説明をよく見かけますが、実践的なNFTの定義は今もこれからも定まらないのかも知れません。それはNFTがテクノロジーであり、アートであり、金融といった多くの要素があって、それらは立場によって割合や解釈が異なります。
更には、写真に関わる表現をしていても写真家とカメラマンの定義が異なるように、クリエイターとアーティストでNFTを用いる方向性が異なります。
書籍のタイトルであるクリエイターとはデザインフェスタやコミケに参加をしたり、個展・グループ展を開催して創作~作品発表をしている方をイメージしています。
NFTは目的によって使うツールにすぎない
「NFTって稼げるんですか?」と尋ねられることがあります。これは一般的に想像されているNFTのイメージは楽をして稼げるとか怪しいといった渦の中にある側面のひとつです。その質問で聞きたい事は分かるのですが「インターネットって稼げるんですか?」という質問に近いものがあります。
説明するまでもなくインターネットはインフラでありツールであるように、NFTも同じく目的や目標達成のために使うツールです。
NFTはクリエイターのノアの箱舟のように一部、勘違いをされている事がありますが、NFTをどのように使うかは発想と目的次第。クリエイターにとってツールと活躍する選択肢が増えた状況にあることを歓迎してもらいたいものです。
未来を見ている人たち
NFTの定義は立場やフェーズとともに変化しています。クリエイターに関わる制作については、1点もののNFT作品が注目されたり、ジェネラティブと言われる自動生成プロジェクトが流行ったり、meme(ミーム)と言われるジョークアイテムが世界で拡散されたり、時には数日単位でそのトレンドやシステムが変わっていきます。そのスピードもあってはじめての人に一言でNFTを説明することは簡単ではありません。
2022年は様々な立場や視点でNFTに関わる書籍が出版されましたが、それぞれの著者もNFTについて部分的に探っている言及が見受けられます。10年くらい前、SNSが普及をしてそれぞれの立場でその使い方を手探りで活用をしていったように、NFTも同様です。NFTに関わる法務や税務を含めてまだまだ輪郭の定まらない部分がありますが、この本でNFTを始めるきっかけになれば嬉しいです。
そして、NFTはクリエイターの作品活用に留まらず、開発の可能性や社会課題の解決に使おうと試みる人など、NFTが様々な交流点になっていてそこに集う人たちは皆、未来を見ている人たちです。今はそんな面白い人たちと共通言語を持って接する事のできるタイミングです。クリエイターのためのNFT参入マニュアルを書店で見かけたらぜひはじめにのページだけでも手に取ってください。次へつながるイメージがあるかも知れません。
最後になりましたが、表紙デザインにご協力して下さったクリエイターの皆様、インタビューや掲載にご協力くださった皆様、またとない機会を下さった三才ブックスにお礼を申し上げます。