3年ぶりのモロッコに行ってきました。前回は何気なくカメラを暗闇の窓に向けてみたら思ったより天の川が写っていて驚きましたが、今回はもう少しF値の明るい単焦点レンズを持って天の川がどのくらい写るのかトライしてみました。航空機の中からとはいえ思いのほか、天の川が写ります・・・!
航空機の機内から天の川を撮ってみよう!
ご覧頂き分かるよう席は羽の真上でした。ナビゲーションランプが定期的に光ります。長時間露光すると結構な光量ですがこれはどうしようもないものです。羽の上ということはエコノミークラス。三脚など使える広さはありませんので露光中はカメラを動かさないようじっと耐えるほかありません。航空機から天の川を撮ろうとする場合、機材やテクニックではなくいかにしてカメラを動かさないかに尽きます。(1.0kgちょっとの物体を持ち続けるのはかなり大変な作業。)
そもそも航空機内で三脚を使っていいのか分かりませんが、ビジネスクラス・ファーストクラスで三脚を使えたとしても常に微振動があるので三脚使えばOK!ということもなさそうです。選択肢のひとつにある程度に考えたらいいと思います。(長辺:60cm以内なら機内持ち込みOK。)
常に微振動がある中、予告などなく旋回(回転)・多少の上昇下降したり長秒露光となれば風景も流れます・・。
前回を思い出して天の川を撮ってみた
3年前、たまたま天の川が撮れてあれこれやっていました。まずはその様子をご覧ください。
機内から天の川撮影 使った機材
ということで3年前の経験から用意したものはこちらです。前回はF4.0のズームレンズに限界を感じて今回、広角単焦点レンズを2本用意しました。カメラ本体は高感度ノイズの関係から断然フルサイズですが上級機種を長時間露光中に持ち続ける自信(体力?)がないのでフルサイズ入門機にしました。今回ISO12800~25600で撮っていましたが、機内から限られた条件下の撮影ですので最低でもISO6400は使いたいところです。3年前はEOS 5Dmark3でしたがそれより1世代新しくなったので高感度ノイズもISO12800まで妥協できるかなあという感触です。あと映り込み防止に忍者レフがあるといいですが機内で怪しい行動になるのでほどほどに・・。
注意)忍者レフ ミニでないとレンズに装着できないかも・・
機内から天の川撮影の設定
3年前の記事に書きましたが長時間露光のセオリー通りではない部分があります。長時間露光ですが常に発生する微振動を打ち消すために手ブレ補正機能をONにした方が成功するようです。天の川はより広角で撮ったほうがその広がりが分かるためシグマ Art 20mm F1.4 DG HSMで撮りたかったのですが手ぶれ補正がないためブレブレになってしまい、今回は手ぶれ補正機能のあるEF35mm F2.0 IS USMを使いました。(そういう点で本体に手ぶれ補正機能が搭載されているフルサイズ機、ソニーやペンタックスはレンズの選択がひろがりますね。)
シャッタースピードは何秒にしたら正解というものはなく、どのくらい明るくしたいのかという自己判断です。1秒くらいから星々は写り始めます。天の川をある程度の像にしたいのであれば4~6秒以上を目安に。今回、シャッタースピード:10秒が限界でしたが、15秒を耐えられる体力(と運?)があれば天の川はもっと明るくはっきりと写ります。笑
天の川撮影設定
- マニュアルモード
- シャッタースピード:10秒(手持ち!)
- 絞り:F2.0(限られた環境で絞ったら意味ない。笑)
- ISO12800~25600(限界10秒で天の川を明るくしたい)
- ホワイトバランス:白熱球・電球(これは好み。なんでもOK。)
- 手ぶれ補正機能ON
- 長秒時露光ノイズリダクションOFF
おまけ)機内照明の光漏れがあってもおもしろい
今回天の川撮影でかかった手間は今後のデジカメの進歩でもっと簡単になる可能性があります。現時点ですら肉眼で見えているもので撮れないものはないんじゃないかなあと。
そして、忍者レフミニをつかって機内照明の映り込みを遮断するのがセオリーですが、たまたま光漏れのあったカット(右側)は宇宙カラーが漂いました。(ハーレーのブレーキフルードと同じ色。笑)
10年前に貴重だったオーロラやウユニ塩湖が今となっては見慣れた光景になったように、これからは予期せぬものこそ面白くなっていくのではないでしょうか。
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